ニュース

2002年1月11日 (プレスリリース)

英グラクソ・スミスクライン社の医薬品を当社の技術で徐放性製剤化へ

ナノキャリア株式会社(本社:千葉県柏市、社長:中冨一郎)はグラクソ・スミスクラインの医薬品をナノキャリアが所有するミセル化ナノ粒子技術を利用して徐放性製剤の研究開発を行う契約を締結しました。そのフィージビリティー研究後、商品化のためのライセンス契約を締結する予定です。契約にはグラクソ・スミスクラインの他の医薬品についての徐放化に関する内容も含まれ、ナノキャリアは同社からそれらの試験研究費用を受領します。

ナノキャリアが所有するミセル化ナノ粒子技術は、ナノキャップシステムやメディセルシステムなど薬物や遺伝子を直径50nm程度の超微粒子に封じ込めることが出来、さらにそれら薬物を徐々に放出できる制御システムです。極めてユニークなドラッグデリバリーシステム(DDS)で、DDS技術をリードする日本唯一のベンチャー企業として国内外の製薬企業および診断薬企業と共同開発を現在進めています。医薬品では、市販されている制癌剤、パクリタキセルやシスプラチンなどをもっと効果的に癌組織に到達させ、さらに副作用を軽減するための新しいシステム開発を行っています。

ナノキャリアの代表取締役社長、中冨一郎は「グラクソ・スミスクラインと提携できたことは非常に喜ばしいことで、当社の技術をフルに発揮できるチャンスです。また、これを機会に同社と長期の提携関係を持てるように努力していきたい」と述べています。

ナノキャリアは、ナノメートルサイズの粒子の中に医薬品、遺伝子、診断薬などを商業的に運用(キャリア)することを目的に、その関連の専門の大学と産学連携を基盤に設立した研究開発型ベンチャー企業です。当社は、超微粒子のミセル化ナノ粒子を用いて新しい治療法や診断法を確立し、医療品や遺伝子のデリバリーシステムならびに診断薬システムの開発・製造を行っています。

グラクソ・スミスクラインは2000年12月にグラクソ・ウェルカムとスミスクライン・ビーチャムとの合併により発足し、売上高275億ドル(2000年)と研究開発費40億ドル(2000年)の医薬品業界世界第2位の最大手です。