ご挨拶

皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。

本日、平成26年3月期の決算の適正開示を行い、また、アナリスト説明会で報告させて頂きました。

前期は、グローバル化をテーマとして自社開発及び共同開発を意欲的に進め、4本の臨床試験を開始するための治験届(IND)を行い、承認を経て臨床試験を開始いたしました。また、次世代医薬品候補となるターゲテイング性能を高めたAntibody/Drug-conjugated Micelles(ADCM)の開発やsiRNAなど核酸医薬品のミセル製剤NanoFect™のプロトタイプ確立など、将来に向けた医薬品開発のうえで重要となる革新的技術開発を推進して参りました。その結果、内外から高い評価をいただき、共同研究のスタート、優秀な人材の確保の面にも大きなプラスとなりました。また、応用製品として化粧品分野での共同研究により生まれた新生「エクラフチュール」が10月に発売となり、大きな反響をいただき、収益基盤強化につながりました。また、昨年度は皆様にご支援いただき、グローバルレベルで大規模な資金調達にも成功し、会社としての体制や基盤が大いに強化された1年となりました。

今期(平成27年3月)は、こうした経営基盤の強化を基に、さらなる飛躍にむけた活動をスピードをあげて進めてまいる所存です。経営資源のより効率的な活用を進め、自社開発製品の価値最大化を実現するため、NC-6004及びNC-4016の臨床試験を加速化し、治験施設の拡大を含めより早く次のステージに進むことができるよう努力してまいります。興和株式会社やOEP社と共同開発中のNC-6300及びNC-6004についても治験の加速化に努めてまいります。

当社にとって、自社開発を推し進めることは、重要な経営戦略の一つとなります。その理由は、①当社は独自のプラットフォーム技術「ミセル化ナノ粒子」に関する知識/知見を持つ専門家集団で、②研究および開発のスピードと部門間連携については、大企業では実現出来ない優位性を有していること、③製品の早期ライセンスを行った(提携先を有した)場合と比較し、開発を自らの判断とコントロール下で進めることが可能で、提携先との情報伝達時間のロスや製品・技術に対する理解不足による開発中断などを引き起こす可能性を最小限に抑えることが可能です。これにより、さらなる技術革新、並びに開発のスピードアップと上市に向けた開発の成功確率の向上を実現し、製品価値の最大化に大きく貢献するものと考えております。

従って、今期の当社は①パイプラインの開発推進に加え、自社の次世代型新薬となる新規開発パイプライン拡充のため、新しいADCMやNanoFect™医薬品などの開発を推進、②国内外の製薬・バイオ企業との共同研究などを推し進め、提携などによる事業収益化を目指す、③応用製品である化粧品分野での商品・事業ポートフォリオの拡大を進め、事業基盤の強化、経営基盤の安定化を目指します。

以上、当社事業に常日頃からご関心をお寄せいただいております株主・投資家の皆様には心より感謝申し上げますとともに、当社の経営戦略につきご理解いただけますようお願い申し上げるとともに、引き続き、ご理解とご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

2014年5月13日

代表取締役社長
中冨一郎