アマリン社と戦略的技術提携契約を締結
ナノキャリア株式会社(本社:千葉県柏市、社長:中冨一郎)はアマリン・ディベロップメント社(本社:スウェーデン・マルメ、代表:サイモン・リー)と新しいデリバリー技術開発に関する戦略的技術提携の契約を締結した。その提携はナノキャリアが有するミセル化ナノ粒子の徐放性製剤システムとアマリン社(本社:英国ロンドン市)の研究開発子会社、アマリン・ディベロップメント社が有するDiffusion Controlled Vesicle (DCV)徐放性製剤システムのコンビネーションシステムの構築で、これまでに胃腸管から吸収に困難であった難溶性医薬品、ペプチドやプロテインなどを対象にした経口製剤の共同開発提携である。
同社の代表取締役社長、中冨一郎は「アマリン社と成功に向けて新しいパートナーシップを築く機会に対して大変嬉しく思い、当社のユニークなシステム技術が将来の経口製品として新しいシステム製剤の一旦を担うことを強く信じる」と述べている。
アマリン社の最高経営責任者、リック・スチュアートは「我々は常に研究開発の能力・向上を考えており、その意味で今回の提携も技術プラットホームの拡張につながる。いろいろな化合物を増やせる事によって、お客様の期待に添えることができる。より重要な事に今回の戦略的提携は、当社の神経系および鎮痛薬における創造・革新的製品の製品開発に影響を与えるに十分な効果だ」と述べている。
ナノキャリアのミセル化ナノ粒子技術は注射用の医薬品、遺伝子並びに診断薬に応用され、その構造はブロックコポリマーである親水性のポリマー(外層)と疎水性のポリマー(内層)の二層構造による超微粒子の徐放性製剤である。その内層には難溶性医薬品のみならず、遺伝子やペプチドを包含することができる。最近、同社はグラクソ・スミスクラインと同技術を利用して製品の研究開発の契約を締結した。
アマリン社の徐放性製剤、DCVシステムは薬物を24時間徐放化することが可能な経口製剤で、特許が成立している技術である。原理的には錠剤の中心に薬物があり、それを疎水性膜によって覆われ、さらにその表面を親水性の粒子基材によって包まれた製剤である。薬物は、胃腸で消化される時にその親水性基材が壊れ、結果的に疎水性膜を通して一定に放出される。同製剤システムは、30カ国以上の国で30億錠が製造され、効果的に患者に投与されている。供給先は、ファルマシア、サノフィー・シンセラボや田辺製薬などがある。
ナノキャリアは、ナノメートルサイズのミセル化ナノ粒子を医薬品、遺伝子、診断薬、診断薬などに応用することを目的に設立された研究開発型ベンチャー企業で、その中心は注射用の徐放性製剤である。その技術原理は東京大学、東京女子医科大学、東京理科大学の研究者たちによって成されたもので、同社はそれら開発技術・材料を利用して新しい医薬品製剤の開発・製造を基盤に社会に貢献を目指している。
ナノキャリアに関する会社概要やその他の情報はhttp://www.nanocarrier.co.jpをご覧下さい。
アマリン社は神経系医薬品および鎮痛薬に特化した医薬品分野のニーズの期待に副った革新的な製品を供給することで、この分野のリーダーとなることを目指している。アマリン社に関する会社概要やその他の情報はhttp://www.amarincorp.comをご覧下さい。アマリン・ディベロップメント社はアマリン社の子会社で、スウェーデンのマルメに本拠地を構える徐放性製剤の研究開発に特化した開発企業である。