ナノキャリア(株)と日本化薬(株)はDDS製剤のライセンス契約を締結
ナノキャリア株式会社(本社:千葉県柏市、代表取締役社長:中冨一郎)は日本化薬株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:中村輝夫)とパクリタキセルDDS製剤のライセンス契約を締結しました。その契約はナノキャリアが有する制癌剤パクリタキセル含有ミセル化ナノ粒子の徐放性製剤システムで、日本化薬が有する制癌剤開発技術を応用して本パクリタキセル含有ミセル化製剤を開発するものです。日本化薬に日本を含むアジア領域における独占的製造販売権及び海外における非独占的販売権を与えるものです。それによってナノキャリアは日本化薬からマイルストーン及びロイヤルティの収入を得ます。
パクリタキセルは、既にタキソール_としてブリストルマイヤーズ・スクイブが乳癌や卵巣癌患者などを対象に販売しています。タキソール_の売上は全世界で1千億円を超えます。ナノキャリアが開発した同薬物含有のミセル化ナノ粒子製剤は水溶性で、血液中で安定で、薬効が高められ、副作用を軽減できるものと期待されています。2003年後半を目途に臨床試験入りを見込んでいます。
ナノキャリアのミセル化ナノ粒子技術は注射用の医薬品、遺伝子並びに診断薬に応用され、その構造はブロックコポリマーである親水性のポリマー(外層)と疎水性のポリマー(内層)の二層構造による超微粒子の徐放性製剤です。その内層には難溶性医薬品のみならず、遺伝子やペプチドを包含することができます。最近、同社はグラクソ・スミスクラインと同技術を利用して製品の研究開発の契約を締結しました。ナノキャリア(株)の代表取締役社長、中冨一郎は「日本化薬のような癌領域のスペシャル企業とライセンス締結ができて大変嬉しく思い、本件を通じて両社の発展を強く希望する。」と述べています。
ナノキャリアは、ナノメートルサイズのミセル化ナノ粒子を医薬品、遺伝子、診断薬などに応用することを目的に設立された研究開発型ベンチャー企業で、その中心は注射用の徐放性製剤です。その技術原理は東京大学、東京女子医科大学、東京理科大学の研究者たちによって成されたもので、同社はそれら開発技術・材料を利用して新しい医薬品製剤の開発・製造を基盤に社会に貢献を目指しています。
ナノキャリアに関する会社概要やその他の情報はhttp://www.nanocarrier.co.jpをご覧下さい。