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2006年1月18日 (プレスリリース)

新しいがん治療薬ナノプラチンTM(NC-6004)の
英国医薬品庁への臨床第T相試験の申請が承認されました

1月9日付けで、ナノキャリア株式会社(本社:千葉県柏市、代表取締役社長:中冨一郎)が自社開発を進めるがん標的治療薬ナノプラチンTM (NC-6004)の英国医薬品庁への臨床第T相試験(患者対象)の申請が承認されましたので、当社は同試験を開始することと致しました。
ナノプラチンTM は、広い抗がん領域を持つがん化学療法の中心的薬剤の一つであるシスプラチンをベースとした新規プラチナ抗がん剤です。ナノキャリアの創薬基盤技術であるミセル化ナノ粒子を用いたMediCelleTM システムによる改良を加えたナノプラチンTM は、従来のプラチナ製剤に比べ以下のような効果が期待されています。

他のプラチナ製剤に比べ以下の効果が期待できる
  • 治療の完遂率が高く、治療効果が高まる
  • 既存のプラチナ製剤の適応+新適応の取得
  • 腎・胃腸・神経障害が軽減される
  • 外来での治療が可能となる
  • プレメディケーション が不要

安全性/忍容性が高く、QOL(生活の質)を高めた治療

ナノキャリアの代表取締役社長中冨一郎は、「ナノキャリアは、当社ミセル化ナノ技術の成果が現れやすく、社会的ニーズも高いがん領域に特化し“標的新薬”の開発を進めております。ナノプラチンTM のように真に価値のある新しい抗がん剤を、1日も早く患者さん、およびそのご家族にお届けすることができるよう、ますます新薬の開発スピードをあげていきたい。」と述べています。 尚、ナノプラチンTM 製剤の基本技術は東京大学の片岡教授らによって発明されたもので、当社は株式会社東京大学TLOからライセンスを受けております。

※プレメディケーションとは、抗がん剤による副作用を抑えるために種々の医薬品などを事前に投与することや、大量の水分補給のことをいいます。

ナノキャリアについて

ナノキャリアは、ナノメートルサイズのミセル化ナノ粒子(高分子ミセル)を医薬品、遺伝子、診断薬などに応用することを目的に設立されました。その技術原理は東京大学、東京女子医科大学、東京理科大学の研究者たちによって成されたもので、高分子ブロックコポリマーを用いたミセル化ナノ粒子製剤は、疾患部位へ集中的に送達されることにより、従来の製剤では成し得なかった「薬効の増大」と「副作用の減少」を達成することが期待されています。
ナノキャリアは、企業ビジョン「生命とQOLの向上のために、革新的技術を用いて新しい医薬品を目指し、的確なプロセスで満足する結果を見出す。“標的創薬”に挑戦し、創薬基盤技術ベンチャーのナンバーワンを目指す。」のもと、次世代の標的新薬の商品化を目指し、研究、開発、GMP適合の製剤を製造しています。
ナノキャリアに関する会社概要やその他の情報はhttp://www.nanocarrier.co.jpをご覧下さい。

本件に関するお問い合わせ

ナノキャリア株式会社
管理部 広報担当:宮元稔、遠藤由美子
03-3548-0213(東京オフィス) Eメールアドレスinfo@nanocarrier.co.jp