NC-6004の(新規シスプラチン誘導体)の第I相臨床試験で投与が開始されました
ナノキャリア株式会社(本社:千葉県柏市、代表取締役社長:中冨一郎)が自社開発をすすめるNC-6004(新規シスプラチン誘導体)の英国での第I相臨床試験症例登録(がん患者)が開始され、第一例目の初回投与が5月15日に実施されましたのでここにご報告いたします。NC-6004は独自の高分子ミセル化ナノ粒子技術を用いた製剤です。この技術を用いた別製剤については、既にライセンス先企業において臨床試験が進められており、当社にとって2つ目の高分子ミセル化ナノ粒子製剤が臨床段階に進んだことになります。計画では2007年度中に欧米で第U相臨床試験を開始すると共に、日本で第I相臨床試験を開始する予定です。
NC-6004はシスプラチンと比較して、以下の効果が期待できます。
- 腎毒性を軽減するためのハイドレーションなど点滴処置が不要になる
- 治療の完遂率が高く、同等以上の治療効果が期待できる
- シスプラチンの適応および新規適応が期待できる
- 外来での治療が期待できる など
ナノキャリアは、独自の創薬基盤技術であるナノメートルサイズのミセル化ナノ粒子(高分子ミセル)を医薬品、遺伝子治療、診断薬などに応用、事業化することを目的に設立された大学発ベンチャーです。高分子ブロックコポリマーを用いたミセル化ナノ粒子製剤は、表面の高い親水性のため血中滞留性が向上し、薬物を病変部位に集中的に送達させることが可能となり、また粒子内からの薬物放出制御が可能なことから、従来の製剤以上の「薬効の増大」と「副作用の減少」を達成することが期待されています。弊社では水難溶性薬物であるパクリタキセルや白金化合物のミセル化ナノ粒子化で副作用の低減や薬効の増強を動物実験で確認しており、現在NK105(日本化薬へライセンス)及びNC-6004(新規プラチナ系抗がん剤)は臨床試験を行っています。
ナノキャリア株式会社
管理部 広報担当:宮元稔、遠藤由美子
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